医療保険について

新型コロナウイルス感染症

今のところ生命保険協会は、新型コロナウイルス感染症に感染した場合、自宅療養でも入院給付金の支払い対象としています。

みなし入院

一部の生保は、最初に感染が広がった第一波の2020年春から、自宅療養なども入院とみなし、入院給付金の支払い対象としました。こうした動きを受けて、生命保険協会はガイドラインを作成。感染症法上、陽性となって入院が必要にもかかわらず、医療機関が満床などの事情で宿泊療養、自宅療養している人について、病気やけがを限定せずに支払う保険商品で給付金を受け取れるようにしました。2021年12月末時点で474.9億円をみなし入院として支給しました。

現在の状況

今年に入り各保険会社の入院給付金の支払い額が急増しています。ある大手生命保険会社によると、今年4月から6月の入院給付金の支払い額は、わずか3か月で昨年度の年間総支給額の1.7倍に急増したそうです。自宅療養などのみなし入院の感染者への支払いが増えているためです。今後さらに増える見込みです。

急増する不正請求

加入直後から入院給付金を受け取れる医療保険ですが、問題も増えています。すでに感染しているのにそのことを告知せずに契約したり、濃厚接触者になった後に契約したりするといった不正請求が疑われるケースが、今年に入り急増しているという報告があります。新型コロナウイルス感染症は無症状の感染者も多く、契約時に感染の見極めが難しいことが背景にあるとみられます。不正が疑われる契約について、契約時にすべき申告をしない告知義務違反と判明した場合、給付金は支払わない方針です。

各保険会社の動向

今後、新型コロナウイルス感染症に対しての給付金支払いは変わってくるかもしれません。

また、保険会社によっては新規募集にも見直しがされてきているようです。医療保険の入院給付金の上限を引き下げたり、新規の顧客からの自発的な加入申し込みは当面受け付けないこととするなどです。

しばらくは気にかけて保険会社の動向を見守りたいですね。

多田 明美
妻として、3人の子供の母親としての経験を活かしながら、皆様にとっての人生での大切な場面を一緒に考えていけたらと思います。 誰かに言われるままではなく、しっかりと考えるお手伝いをさせていただきます。
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